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〜 コミックの面白さをゲームでも! LiFox編 〜
さてさて、今回のブランド訪問は、アニメ化された『ヱデンズ ボゥイ』や『オルフィーナ』で人気の漫画家、天王寺きつね先生が代表を務めているブランド、LiFoxさんにお邪魔してきました!
今回はディレクター・広報担当の、おぐられい さんと、シナリオ担当の御巫紫苑 (みかなぎしおん)さんに話を聞いてきたYO! マスターアップで忙しい中ありがとう!
インタビューには猫のにゃ太郎くんも参加してくれました。とっても可愛かったんですよ。
うう…ネコミミ少女は好きだけど本物はちょっと…。
というわけでインタビューの始まりですよ♪
お話を訊いたスタッフ
おぐられい
(ディレクター・広報担当)
漫画アシスタント出身。過去には美少女・コンシューマゲームの企画・制作などにも関わる。
御巫紫苑 (シナリオ担当)
『in white』でシナリオデビュー。スタジオZOOには原画担当・阿部野ちゃこの紹介で入る。

―― ブランドを立ち上げたきっかけについて教えてください

おぐられい さん(以下:お):元々、LiFoxの母体になっているスタジオZOOは、代表の漫画家、天王寺きつねとその作画アシスタント集団なんです。あるとき美少女ゲームを作ってみないかという話が出て、うちには絵を描ける人やCGをやってる人もいるし、他社で美少女ゲームに関わった人もいる。じゃあ一本作ってみよう、ということになったのが、LiFoxを立ち上げたきっかけです。

―― ブランド名の由来について教えてください

お:Foxは当然、天王寺きつねの名前から取っているんですが、何故LiFoxになったのかは…えーと…。"life"と"fox"をくっつけた造語なんですが、そもそもなんでlifeだったのか…すでに記憶が…(笑)。

―― Lifeだったんですか。Liar-softさんみたいに"嘘"って言う意味なのかと思っていました(笑)

お:嘘じゃないです。あ、でも結果的に嘘ついちゃったところはあるかも…発売日とか(苦笑)。

―― 制作スタッフに女性の方がすごく多いですよね

お:私も含めてシナリオライターの御巫も原画の阿倍野ちゃこも女性ですが、もともと漫画のスタッフの半分ぐらいが女性だというのもあります。

―― 漫画とゲームの作業は平行して進めているんでしょうか?

お:完全に平行して進めています。今、天王寺が月2本少年誌で連載をしていますので、その〆切があるときはかなり厳しいですね。これがおわるまでチェックは無理と言われると、ああ、絶対に無理なんだなぁ、と(笑)。阿倍野も漫画のスタッフとしてスケジュールが入ってますし、御巫はトーン作業が異常に早いんであっちでも重要なスタッフ。そういう意味ではゲームの作業は結構大変なところがあります。

―― デビュー作『in white』の制作で苦労したところは?

お:天王寺にハイブリッドにしてくれって言われたところですね(笑)。

LiFox 作品

『in white』 (2002年3月22日発売)
3年前のクリスマスイブに、かけがえのないな人を事故で失った主人公。彼は同窓会の日、自分が3年前に戻っていることに気がつく。今度こそ後悔しないため、彼女を守るため行動を始める主人公だが…。純愛学園アドベンチャー。


―― 何故、ハイブリッドにしたんでしょうか? Windowsユーザーは最初、かなり戸惑いますよね。

お:プロデューサーの天王寺がMac対応にこだわったんです。周りの絵描きさんやファンの方達にMacを使っている人が多いということがあり、そんな人達にプレイして欲しいという強い思いがあったようです。作っている私たちも、はじめての作品でハイブリッドということでかなり苦労しましたね。何もかも初めてだったのでプログラム的にも無茶が出来ず、MacromediaのDirectorを使っています。

―― 『in white』はちょっとした技を使うとウインドウモードなどでプレイ出来ますよね※。ところで、Windows版としてリニューアルされることはないのでしょうか?

お:動作保証外ですけれど、ご存知のユーザーさんは色々やっていたみたいですね。『in white』のリニューアル版ですが、話はありましたが…今のところ無いと思います。

御巫紫苑 さん(以下:み):本数が読めないので、天王寺からのゴーサインが貰えない限りは難しいかなと……。

※PCから起動できるようにファイルをHDDに全てコピーした後、隠しファイルになっている in_white.ini を編集することで、ウインドウモードにしたりバックグラウンドで動作を可能にすることができる。具体的にはコメントアウトの";"を取り、各行の値を変えることで様々なの動作が可能になる。1.ウインドウモードに(FullScreen=0)、2.ウインドウを移動・最大最小化可能に(UseTitleBar=1)、3.バックグラウンドでの動作を可能に(BackgroundAnimation=1)
(※iniファイルの編集は自己責任でお願い致します。発生したトラブル、損害について編集部は一切の責任を持ちません。また、動作保証外となりますので、ブランドへのお問い合わせは絶対にしないで下さい。)


―― ユーザーからの反応はどうでしたか?

お:やはりシステム面でのご意見はありましたが、思ったほどにはこなかったですね。ユーザーの多くが天王寺きつねのファンで、普段漫画は読むけれど美少女ゲームは全くやらないという人が多かったというのもあったようです。そういう意味で、うちは美少女ゲームユーザーさんからはあまり気にされていないブランドだったのかって思いました(笑)。でも、この時いただいたご意見から新作はWindows専用になったんですよ。

み:初めて美少女ゲームをやったという人も多かったですよね。

―― 『in white』で見せたかった部分というのはどんなところでしょうか?

お:そこだけに頼ってしまった部分もあったかもしれませんが、やはり第1弾は天王寺きつねのビジュアルと言うところが大きかったと思います。それからストーリーなんですが、具体的な肉付けをしていった阿倍野ちゃこが漫画のストーリーと同じような作り方でやっているので、普通のシナリオとは見せ方がかなり違うかもしれませんね。全体的な起承転結もそうですが、コミックのような節目節目の盛り上がりも意識しています。

―― 天王寺作品としてはオーソドックスなストーリーですよね

お:実際、私も最初にプロットを見たときにはそう思いました。ユーザーさんの送ってくれた葉書を見ていても、エロを作るなら普通の学園モノではなく、昔描いていた漫画『Rape+2πr』みたいなものを作って欲しかった、なんて意見が結構ありました。まぁ一部のシナリオにはそんな展開がありますけれど…。

み:その一部のシナリオ、というかお姉ちゃんと御間のプロットは私が担当しました(笑)

お:あ、そうなんだ、知らなかった(笑)。橘と鹿山のプロットは阿倍野と天王寺が作ったのですが、かなりこだわりがあり、細かい設定があったので作り易かったですね。

LiFox社内を探検! その1
漫画の後書きなどにも登場している猫のにゃ太郎。名前は太郎なのになぜか雌なんだとか…。

丁度デバッグの最中にインタビューに伺ったぞ。デバッグ中の膝はにゃ太郎の指定席らしい。

―― OPムービーのアニメーションがかなりすごいですよね

お:フルアニメーションを絶対に使いたい、というのが天王寺から出ていました。ハイブリッドで見れるようにしなければならなかったので、MPEGではなく圧縮の利かないQuickTimeを使わざるを得ないというところでかなり容量的に厳しかったですね。いつか綺麗な高解像度版をMPEG版で配ってみたいです(笑)。

―― 是非、Galge.comでもミラーさせてください!

み:じゃあ元データを……って、あれ? どこにしまってあるんでしたっけ? (笑)

―― 新作『御魂のゆき』について教えてください

み:『in white』の後、次回作の企画をいくつか出したとき、伝奇ものにしようという話になったんです。そこで、まず私がプロットとシナリオを起こしました。

お:まずPCゲームを作りつ続けようという前提はありました。けれども『in white』の製作中に、スケジュールの都合で天王寺が漫画を休載せざるをえなくなってしまったことも何度かあり、同じ製作体制では無理だと言う話になりました。それで、新作では天王寺が原画から外れて阿倍野になりました。一番最初の設定は御巫がやっていて、阿倍野もある程度デザインはしていたのですが、今とは全然違う設定でしたね。今回、製品に付くブックレットに初期設定ラフが入っているんですが、黒の巫女姫はいなくて白の巫女姫だけだったり、コギャルがいたりして今とはぜんぜん違う設定ですよね。

み:メインストーリーで不死伝説を扱っているのは一緒なんですが、不死伝説の扱い方自体も違うし、最初の設定は名前やパーツが残っているだけになっています。

―― 製作中の苦労話や、ハプニングを教えてください

お:一旦、出来上がったシナリオを破棄してやり直したところでしょうか(涙)。再利用している部分はあるんですが、最初のお話は盛り上がりや、ビジュアル的な派手さといった部分に少々欠けていたところがあり、もの足りないというのがありました。その時点で既に開発開始から1年半たっていたので、出すか出さないか、という話もあったんですが、普通のソフトハウスではそんなことはありえないですよね(苦笑)。そこで、天王寺と阿倍野と私とで、もう一度話し合って全面的にデザインやプロット段階からやり直しました。

―― どのように変わったのでしょうか?

お:最初のシナリオはお話としてのまとまりは良いが、盛り上げやユーザーに対してのアピールが足りない点が問題になっていたんです。当時のシナリオは白の巫女姫が大きな一本柱だったんですが、いつだかポロっと黒の巫女姫というキーワードが出てきたんです。それに何らかの強いインスピレーションが働いたようで、天王寺からそれをメインにしていこう、という話が広がっていきました。 白の巫女姫と黒の巫女姫という対極に位置するものを置いて、対比によってそれぞれを際だたせていますので、その2つの柱の対比を見ていただければと思います。

LiFox 新作
『御魂のゆき』 (2005年3月25日発売)
主人公の従妹・沙耶に届いた一通の手紙は、伝説の姫巫女の子孫であるという彼女を大祭に招くための招待状だった。外界と隔絶された山間の村、三珠に伝わる不死の伝説と怪異にまつわる和風伝奇アドベンチャー。
>> 作品情報・体験版DL・商品購入
―― 体験版は日常パートのコミカルな部分が多いですが、その後の展開はどうなるんでしょうか

お:『in white』は選択肢でシナリオが進んでいくんですが、今回は少しゲーム性が欲しいということで、場所移動というシステムが天王寺と阿倍野からでました。場所移動は選択肢と違い、どうしてもハズレのイベントができてしまうので、ストーリーだけを追っていくことができないんですよ。そういうところで日常生活臭がでてきて、コミカルな部分ができましたね。その分、デバッグしていてイベントの繋がりやシナリオの整合性に苦労しました。
 体験版ではまだですが、主人公達が三珠村に来て3日、4日と経っていくうち、だんだんと不穏な空気が日常生活に織り込まれてきます。そこで起こる様々な出来事は、後半ヒロインのストーリーに入ったとき、あの時はこういうことだったんだってわかると思いますよ。


―― 展開によっては暗い話になったりもするのでしょうか?

お:展開によっては寝取られたり妊婦が…ってシーンも結構あります。ストーリーは途中で白と黒の章と赤の章に大きく2つに分かれて、それぞれのルートで沙耶と黒の巫女姫、絵梨佳とはづきの2大ヒロインの物語が柱になっていきます。エンディングもハッピーとダークで落差があるので、そこの対比も見て欲しいですね。ちゃんとサブヒロインのエンディングも用意されていますよ。

み:ダークとは別に単に主人公が死ぬBADエンドが多いかもしれないです。

―― OHPにある妊婦のシーンはかなり気合が入っていますよね

お:もちろんです(笑)。あのシーンは天王寺がかなりこだわっていましたね。テキストにも自分で手を入れて頑張ってました〜(笑)。「妊婦さん好きな人が買ってくれないかなぁ」とも言っていましたっけ。沙耶は他のヒロインに比べてもともとHシーンやCGが多いキャラなので、バランスも考えてCG1枚のシーンの予定だったんですが、「いや絶対妊婦のところは2枚にする!!」と強く押されて2枚になりました。

み:最初は妊婦シーンがメインでは無かったんですが、結局すごく尺の長いシーンになりましたね(笑)

―― 体験版のモザイクが大きくないですか? (笑)

お:ご、ごめんなさい。あの時はスケジュールの都合から安全を第一に(?)かなり大きめに修正しちゃいました。LiFoxはモザイク下にもこだわりがあって、隠れている陰毛などもブラシをつかってすごく丁寧に描いたりしているんですよ!!…なんで見えないのに陰毛に私たちはこだわっているんだろう(笑)。やっぱりプロデューサーの指導の賜物かな?


―― 天王寺きつね先生はどんな形で作品に関わられているんでしょうか?

お:プロデュースということになっているんですが、基本的に全てに関わっています。音楽担当の筒井さんも、天王寺から次はこの方がいいということで要望がありましたし、楽曲指定も本人がしています。プロット段階からストーリー、演出面まで本人が手を入れていますので、天王寺ファンの人は天王寺味を阿倍野ちゃこの絵で楽しんでいただけると思いますよ。

―― 原画の阿倍野ちゃこさんについて教えてください

お:元々は天王寺のアシスタントから漫画家デビューしたんですが、原画だけでなく『in white』に続いて背景原画もやっています。『in white』のコミック版を連載していたこともあり、彼女の絵のファンもいるので原画を担当することになりました。美少女ゲームの絵として天王寺とはまた違った魅力があると思いますよ。
 今回は初の原画作品ということで本人の意気込みも強く、イベントCGや背景の出し方などの演出面でも細かい指示がありました。


LiFox社内を探検! その2
LiFox社内の様子。観葉植物の周りがガードされているのはにゃ太郎の悪戯を防ぐ為だとか。

棚には天王寺先生の単行本がぎっしり。中文版や韓国語版も並んでいた。

―― 背景がものすごく綺麗ですよね

お:塗りは基本的に『in white』と同じ方です。前回あまりにも綺麗だったので今回もお願いしました。イベントCGの外注さんに背景CGを資料として渡した時、紹介して欲しいというお話があったくらいです。

―― シナリオ担当の御巫紫苑(みかなぎしおん)さんの名前の由来は?

み:作画スタッフの時などは別のペンネームを使っているのですが、私はあまり漢字を使ったペンネームっぽいペンネームを使ったことがないんです。ですから同人誌を始めたばかりの女の子みたいなのをつけてみようかと思って…。苗字は山田風太郎の小説からなんですけど。※
※『風来忍法帖』に登場する忍者。「忍法砂鋳型」の使い手で、女に化ける。

―― 『御魂のゆき』をどんな人に買って欲しいでしょうか

お:今回は原画も阿倍野ちゃこに変わり、天王寺きつねがプロデュースしているゲームというところはもちろんですが、普通の美少女ゲームユーザーさんにも興味をもって欲しいです。そして、できれば新しいユーザさんが欲しいかなと思っています。めったに出さないところなので二の足を踏まれていたら哀しいですけど(笑)

―― ブランドの次回作と今後の方向性について教えてください

お:次回作はまだ全然決まっていません。決まっているのはとりあえず、終わったらご飯を食べに行こうってことくらいですね(笑)。『御魂のゆき』の後で漫画のスタジオが引越しをするので、スケジュールを組みなおしてから今後を考えることになると思います。
 ブランドの方向性ですが、今の段階ではまだまだまだ手探りです。今回の作品でユーザーさんの反応を頂いて、次回作があればそこでブランドの方向性も決まってくると思います。漫画が忙しくて作業的に絶対無理、ということになったらまた別ですけれど、天王寺がプロデュースするという路線は守っていきたいと思っていますので、それがカラーといえるかもしれませんが。
 前作はコミックファンに向けての作品という部分がすごく大きかったので、今回の『御魂のゆき』がLiFoxブランドの本当の意味でのデビュー作品だと思っています。


―― 最後にユーザーに一言お願いします

お:『御魂のゆき』は、前作で学んだところを生かしているので、システムに関しては安心していただけると思います。原画が変わったことで天王寺きつねのブランドと思っていた方の中にはがっかりしている人もいるかも知れませんが、天王寺が全面的に監修に入っている点は変わりませんのでご安心下さい。LiFoxの新風・阿倍野ちゃこの可愛らしいキャラクターが織り成す、天王寺テイストを是非お楽しみ下さい。

み:もし次回があるなら、明るくて軽めなぽやぽやっとした普通の萌えゲーなんかも作ってみたいかなぁ、なんて…。そのためにも是非『御魂のゆき』を買って応援してください(笑)

―― ありがとうございました。

読者プレゼントのお知らせ!
LiFoxさんのご厚意により、Galge.com読者の皆様にプレゼントを頂きました。
『in white』初回版と通常版をそれぞれ1名様に、『御魂のゆき』のポスターを2名様にプレゼントいたします。また、記事についてのご意見ご感想も募集しています。沢山のご応募、ご感想をお待ちしております! (4/5正午締め切り)
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2005/03/18公開
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